第 3705 号2020.1.26
「辛かったその先には」
ちなみ(ペンネーム)
子供がボーイスカウトに入り早3年。今年、私はデンリーダー役に白羽の矢が立ってしまった。
デンリーダーとは各組の子供達を見守る役で、毎回活動に参加して子供達を見守り、活動計画作成や講習会にも何度も参加する。 日焼けもするし、アウトドアも好きでもない。フルで仕事をしているし、そもそも離婚しているので旦那を頼りに家の事をお願いすることもできない。負担が大きい。 正直、嫌で嫌で仕方なかった。 私は1組のリーダーになった。小学3年から5年の6人。 デンリーダーは他に2人。2人とも同時期に入った子供のお母さん。 会えば多少話しをする位の程よい距離の関係。 初日、すごくダサいボーイスカウトの服と帽子を身に着けて、恥ずかしいったらありゃしなかった。 4月から始まり、毎週のようにウォーキングラリー、ゲーム、防災体験、ハイキング、イベント活動、募金…なかなか皆自由人で見守るのも一苦労。 なかでも一番辛かったのは夏の3泊4日のキャンプだった。 霧降山の狭いロッジで子供6人とギュウギュウになりながら寝袋で寝る。朝起きると体中がギシギシと悲鳴を上げていた。途中何度も大雨も降った。泥濘の山のハイキング。お風呂は狭い家族風呂に流すだけ。夜寝る前に毎日報告会議をし、朝も準備のため相当早かった。人生で上位に入るくらい辛かった。 現在8ヶ月。 まず、デンリーダー3人はこれ以上ない位仲良しになった。同じ釜の飯…とは本当だなと思う。 そして子供達の成長がとてもめざましいことに驚いている。全員とてもとても愛おしい。 なにより、わが子に対する接し方が変わった。つい、手や口を出す育児から見守る育児になった。 予想もしてなかった。ものすごく嬉しい。 残り4ヶ月。これから寒い時期に入り、また一際大変だが、子供も私もまたちょっと成長できるかなと楽しみな自分がいる。 ちょっとだけだけどね。 1年全うした後は、うっかり泣いちゃうかもしれないなぁ。