第 3882号2023.07.09
「心の中で生きている」かぶきち(ペンネーム)
先日、おじいちゃんが亡くなった。 その連絡が母から来たとき、 寝起きだったが一気に目が冴えた。 コロナ禍でなかなか会えなかったが、 いつもおじいちゃんは元気で、 ニコニコと僕たちのことを見守ってくれた。 おじいちゃんとの記憶を振り返ると、 大切な思い出があふれてくる。 おばあちゃんといろんなところに連れて行ってくれたこと。 畑で美味しい野菜を育てて、食べさせてくれたこと。 お酒を飲みすぎて、気付いたら隣の部屋で寝ていたこと。 思い出したくないはずなのに戦争の話をしてくれたこと。 聞こえにくいはずなのに、精一杯聴こえているフリをしていたこと。 どれも大切な思い出。 僕の心の中でおじいちゃんが生きている。 お正月に亡くなったおじいちゃんの家に行った。 甥っ子、姪っ子も一緒だった。 3歳の甥っ子は、家に着くなり、 「おおじいじは、どこ?」 とその場にいた大人に聞いて回っていた。 「おおじいじは、寝てるんだよ。」 と言われて寂しそうに考え込む甥っ子。 小さい体でおじいちゃんの死を受け入れようとしていた。 甥っ子の心の中にも 確かにおじいちゃんが生きている。